小学生の頃、初めて自分の声をラジカセに録音した時の驚きは今も鮮明に覚えている。
「え! これが俺の声? このラジカセ壊れてる!?」
※蓄音機を発明したエジソンも、きっと同じ衝動に駆られたはず。
得てして、人は自分の事が一番解っていないと思う。
自分が思う「自分像」と他人から観られる「様子」は多分に一致しないかも。
その場合は、他人の眼の方が真実に近いという事に初老になって気付く。
先日、とある縁があって自分の試合の様子を映像で観る事が出来た。
そこに映し出される私の姿に額から汗がドッと噴出した。
なんと無様な姿なんだろう。
こんな姿を日々堂々とテニスコートで他人様に観られていたとは。
ボールを追う姿は、ジタバタドタバタ。
打ち込む姿は、背中の曲がったおじい体形。
もっとハツラツとした姿をイメージしていただけに大いにショック。
やっぱり年相応な振る舞いになってしまうのですか。
自分では、同年代と比べるとそれなりに若いつもりでしたが
客観的に観ると、ご多分にもれず齢相応な動きをしている現実を突きつけられた瞬間だった。
「え! これが俺のフォーム? じじくさ!!」
※鏡を初めて見た時の記憶はないなぁ。
今思い出すだけでも両足に漂う冷たさが蘇ります。
その日は、疲れててリビングでうたた寝をしてしまい、気付いたら25時。
家族はとっくに寝床に収まってて、あたりは時間が止まったかのような静けさ。
気だるい身体を起こし、ふらふらと廊下の明かりを頼りに自分の寝床に。
眼鏡を枕元に置き布団に潜り込むも、部屋の異様なほどの冷たさに目だけが覚めがちに。
徐々に頭がすっきり神経が研ぎすまれてくると、布団の中の両足にとてつもなく冷たさを感じ出す。
まぎれもない現実にハッとする。
ロキソニンシップを両足に満遍なく張りすぎたか!?
コート上で、皆がコールする「ジャストー!」
初めてこのコールを聞いた時は、????。
「ジャスト」って、「ちょうど」とか「かろうじて」って意味だろ。
「ちょうどセーフ?」「ちょうどアウト?」「かろうじてセーフ?」「かろうじてアウト?」
しかし、左手を高々に挙げているからアウトって言う事かな?
いやいや、「ジャスト!」って聞こえたけど、「アウト!」の聞き間違いだろう。
なので、テニスを始めて1年ぐらいはそう思ってた。
しかしながら、私の観はくつがえされた。
やっぱり「ジャスト」だった。
2年目の春に草トーデビューの試合最中に「かろうじてアウト」って奴だったと悟った。
じゃ~、「ジャストアウト!」って言ってよ~。
とモヤモヤ感もありながらも、それ以降は郷に入れば郷に従えで私も何食わぬ顔をして使い始めた。
でも、アメリカはもとより外国ではこのような「ジャスト」コールは一切使わないらしい。
そもそもプロの試合でも聞いた事ない(国内プロは使ってるのかな?)。
と思いながらも。
余談
先日、ボストン生まれのアメリカ人と会話の中で
私が「Oh~、just idea!」って口にすると、奴は「just idea? なにそれ」って不思議そうな顔。
今の状況下において、それは、今、正に一番良いアイデアだと言う意味だとボディランゲージを交えながら説明すると(汗)
「それなら、good ideaやbest ideaが正しい。justなんかは使わない」だと。
「じゃ~、Just outは」って聞きかけたが、説明するのが煩わしいと悟り口を閉ざした。
(あえて、言葉の使い分けというか表現の豊かさで使い分けたかった私の意図を踏みにじりられた虚しさも手伝って)